日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガーリチ」の意味・わかりやすい解説
ガーリチ
がーりち
Александр Аркадьевич Галич/Aleksandr Arkad'evich Galich
(1919―1977)
ロシアの詩人、劇作家、シナリオライター。年少のころから詩を書き、バグリツキーに詩才を認められる。スタニスラフスキー・スタジオを卒業し、第二次世界大戦中には前線の慰問劇団で俳優として働く。1945年から劇作家としてたち、『行進曲』(1957)など10本の戯曲を上演するとともに、多くのシナリオを書いている。60年代初頭から弾き語りの吟遊詩人として知られ、スターリン時代のラーゲリ、当時のソ連体制を風刺したその歌は、テープに録音され、手から手へ伝えられ人気を集めている。74年亡命、『コンチネント』誌の編集に参加したり、西欧諸国で活発にコンサートを開きながら、人権問題を訴え、精力的に執筆活動を続けていたが、パリ市内のアパートで誤って感電死した。ほかに、自作の芝居が当局の介入で発禁になる経過を記録した小説『ドレス・リハーサル』(1974)がある。
[中本信幸]