世界遺産詳解 「キジ島の木造教会」の解説 キジとうのもくぞうきょうかい【キジ島の木造教会】 1990年に登録された世界遺産(文化遺産)。キジ島は、ロシア北西部のカレリア共和国のオネガ湖にある、長さ約7km、幅500mの細長い島。キジ島にある最も代表的な木造建築は、1714年竣工の救世主顕栄教会(プレオブラジェンスカヤ聖堂)である。高さ37mで、22のクーポル(葱坊主形ドーム屋根)を持つこの聖堂は、斧一つで造られたといわれ、釘が使われていないことでも知られている。この聖堂の南には1764年に建築された生神女庇護聖堂(ポクロフスカヤ聖堂)がある。この2つの聖堂の間にある鐘楼は18世紀後半に建造、1862年に復元されたもの。また、ムーロム修道院のラザロ復活聖堂は1300年頃に建てられたロシア最古の木造教会建築である。この島は1960年に島全体が木造建築の特別保存地区に指定され、ロシア北部各地から教会、風車などが移築された。このためキジ島ゆかりの木造建築であるプレオブラジェンスカヤ聖堂とポクロフスカヤ聖堂のほかに、農家、風車小屋、納屋、鍛冶屋、浴場など17~18世紀の木造建築群が集められ、ロシアの伝統的な木造建築の屋外博物館になっている。◇英名はKizhi Pogost 出典 講談社世界遺産詳解について 情報