キンウワバ(読み)きんうわば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キンウワバ」の意味・わかりやすい解説

キンウワバ
きんうわば / 金上翅

昆虫綱鱗翅(りんし)目ヤガ科のキンウワバ亜科の昆虫の総称はねの開張30~40ミリメートル程度の中形のガ類で、前翅の表面には金属光沢のある金色の地に、銅色または銀色斑紋(はんもん)があるのでこの名がある。前翅の面積のなかば以上が一面金色に輝くキクキンウワバや、ヒサゴキンウワバがもっとも顕著である。幼虫は草本につき、しばしば畑のゴボウニンジンなどに発生する種もあり、ウリキンウワバヒョウタンヘチマカボチャなどウリ科の害虫として著明である。一部の種には移動性があり、定着地から逐次北上して晩夏から秋にかけて多発し、特定の休眠期をもたない。日本には約50種を産する。

[杉 繁郎]

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