日本大百科全書(ニッポニカ) 「キーン・ドナルド」の意味・わかりやすい解説
キーン・ドナルド(Donald Keene)
きーんどなるど
(1922―2019)
日本学研究家。アメリカ・ニューヨーク州出身。コロンビア大学名誉教授。コロンビア大学でフランス文学、東洋文学を専攻。『日本人の西洋発見』The Japanese Discovery of Europe(1952)をはじめ、『万葉集』から三島由紀夫に及ぶ翻訳・研究活動で、日本文学に対する国際的評価を高めた。『BUNRAKU』(1969)で国際出版文化大賞受賞。英文『日本文学史』全4巻(1976~1984)を刊行。1986年にはコロンビア大学に「ドナルド・キーン日本文化センター」が設立された。著作はほかに、『日本との出会い』『日本の作家』(ともに1972)、『百代の過客――日記に見る日本人』(1984。読売文学賞受賞)、退職記念論文集『日本文化の潮流』(1997)、『明治天皇』(2001)など。海外における日本学研究の第一人者であった。2002年(平成14)文化功労者、2008年文化勲章受章。2012年3月に日本国籍を取得、本名をキーン・ドナルド(鬼怒鳴門)とした。それまでのドナルド・キーンDonald Keeneは筆名として使用。
[千葉宣一 2019年4月16日]
『土屋正雄・角地幸男他訳『日本文学の歴史』古代・中世篇1~6、近世篇7~9、近代・現代編10~18(1994~1997・中央公論社)』▽『角地幸男訳『明治天皇』上下(2001・新潮社)』▽『角地幸男他訳『ドナルド・キーン著作集』全15巻(2011~2018・新潮社)』▽『篠田一士訳『日本との出会い』(中公文庫)』▽『『日本の作家』『日本語の美』(中公文庫)』▽『中矢義一訳『日本細見』(中公文庫)』▽『金関寿夫訳『百代の過客――日記に見る日本人』上下『続百代の過客』上下(朝日選書)』▽『金関寿夫訳『日本人の美意識』(中公文庫)』▽『大庭みな子訳『古典の愉しみ』(宝島社文庫)』▽『吉田健一・松宮史朗訳『能・文楽・歌舞伎』(講談社学術文庫)』