日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギスカジカ」の意味・わかりやすい解説
ギスカジカ
ぎすかじか / 義須鰍
義須杜父魚
frog sculpin
[学] Myoxocephalus stelleri
硬骨魚綱カサゴ目カジカ科に属する海水魚。東北地方以北、千島列島(ちしまれっとう)、オホーツク海、ベーリング海に分布する。頭は幅広く、やや縦扁(じゅうへん)する。鰓蓋(さいがい)に3本の強い棘(とげ)があり、両眼間隔域はほとんど平坦(へいたん)である。体色は生息場所によって赤褐色、黄褐色、黒褐色などに変化する。腹面全体に眼径大の白色斑があり、尾柄(びへい)部に前下方へ向かう1白色帯があることで容易に近縁種と区別される。小さい個体は沿岸の藻場(もば)や磯(いそ)に、大きなものは少し深みの岩礁域に生息している。モカジカ、イソカジカなどとよばれ、ごく普通にみられる。体長45センチメートル以上になる。産卵は秋から冬にかけて行われ、この時期のものはもっとも美味で鍋物(なべもの)、汁物などにされる。
[尼岡邦夫]