ぎば(読み)ギバ

デジタル大辞泉 「ぎば」の意味・読み・例文・類語

ぎば

歌舞伎の立ち回りで、投げられたりられたりしたときに、飛び上がって尻もちをつき、足を開いて前に投げ出す動作人形浄瑠璃でもいう。
[補説]ふつう「ギバ」と書く。

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精選版 日本国語大辞典 「ぎば」の意味・読み・例文・類語

ぎば

  1. 〘 名詞 〙 歌舞伎の立回りの技巧一つ。投げられたり蹴られたりした時に、とび上がって尻もちをつく型で、両足は開いて前に投げ出す。腹ぎば、胸ぎば、背ぎば、横ぎばなどがある。また、人形浄瑠璃でも尻もちをつく動作をいう。「義経千本桜」三段目椎の木の段の「台座の別」における権太など。
    1. [初出の実例]「投げられさんした其のぎばの甘(うま)さ」(出典:浄瑠璃・傾城阿波の鳴門(1768)一)

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世界大百科事典(旧版)内のぎばの言及

【歌舞伎】より

…《白浪五人男》の浜松屋での弁天小僧,《妹背山》のお三輪などその代表例。 ギバ立回りのテクニックの一つ。投げられ,また蹴られて飛び上がり,足を開いて尻で落ちる動作。…

【人形浄瑠璃】より

…また,〈うしろぶり〉は,女の恨みごとや悲しみが頂点に達したときにする女形独特の美しい後ろ姿である。 立役の代表的な型としては,〈団七走り〉〈ギバ〉〈六方〉〈打込(うちこみ)〉〈石投げ〉などがある。〈団七走り〉は,武将が押し寄せる敵軍を偵察するため,松の大木に登ろうとして駆け行く型で,左右の手を大きく交互にふって走りだす。…

※「ぎば」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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