クインチリアヌス(その他表記)Quintilianus, Marcus Fabius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クインチリアヌス」の意味・わかりやすい解説

クインチリアヌス
Quintilianus, Marcus Fabius

[生]35頃.スペイン,カラグリス
[没]100頃
ローマ修辞学者。ローマで公の給料を受けて雄弁術を教えた最初の人。弟子小プリニウスがいた。またドミチアヌス帝の曾孫の家庭教師をつとめた。引退後は『弁論術教程』 Institutio Oratoria (12巻,95頃) の執筆に専念。これは教師としての経験に基づいて,幼児から一人前演説家になるまでの教育を論じたもので,基礎教育,訓練の方法,教師の質,演説の技法文体と話し方,完成された演説家などを解説している。雄弁術の入門書としてのみならず一般的教育学書としての価値も高く,第 10巻はギリシア・ローマの作家たちを簡潔的確に批評しながら論じたもので,特に名高い。 (→修辞学 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android