日本大百科全書(ニッポニカ) 「クビッデ」の意味・わかりやすい解説
クビッデ
くびっで
Ludwig Quidde
(1858―1941)
ドイツの歴史学者、平和運動家。富裕な商人の長男としてブレーメンに生まれる。シュトラスブルク大学、ゲッティンゲン大学で学んだあと、中世のドイツ帝国の資料を出版するための編集委員についた。1889年『ドイツ歴史科学会誌』Deutsche Zeitschrift für Geschichtswissenschaftを創刊、1896年までその編集に携わった。また1894年に小冊子『カリグラ』Caligulaを発行、当時の皇帝ウィルヘルム2世の政策を批判した。1895年政治活動を開始し、1902年ミュンヘン市議会、1907年バイエルン州議会、1919年ワイマール共和国議会の議員になった。1914年にはドイツ平和協会の会長になり、1929年まで務めた。第一次世界大戦中はやむなくスイスに亡命したが、国際平和運動を継続、終戦後は国際連盟に支援を行った。1927年、ドイツの軍国主義に反対し平和運動を推進した功績により、ノーベル平和賞をフランスのビュイッソンとともに受賞した。その後、ドイツでナチスが台頭したことにより、1933年にふたたびスイスに亡命し、同地で没した。
[編集部]