クラフツ

化学辞典 第2版 「クラフツ」の解説

クラフツ
クラフツ
Crafts, James Mason

アメリカの化学者.アメリカのハーバード大学とドイツのフライベルク鉱山アカデミーで工学鉱山学を学んだ.1860年ハイデルベルク大学のR.W.E. Bunsen(ブンゼン)のもとで化学に転じ,そのルビジウム発見を助けた.パリでC.A. Wurtz(ウルツ)に学んだのちアメリカに戻り,1867年コーネル大学初代化学教授,1870年マサチューセッツ工科大学教授となった.健康上の理由で,1874~1891年ヨーロッパに渡り,パリの鉱山学校でC. Friedel(フリーデル)と共同で研究し,無水塩化アルミニウム触媒とする芳香族化合物アルキル化アシル化の反応(フリーデル-クラフツ反応)を発見した(1877年).ほかに有機ケイ素誘導体,触媒,熱測定などの研究がある.1892年マサチューセッツ工科大学に戻り,のちに学長(1897~1900年)となった.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラフツ」の意味・わかりやすい解説

クラフツ
Crafts, James Mason

[生]1839.3.8. マサチューセッツ,ボストン
[没]1917.6.20. コネティカット,リッジフィールド
アメリカの化学者。ハーバード大学卒業 (1858) 。ドイツに留学,フライブルクで R.ブンゼンの助手 (59) ,パリに行き C.ウュルツに化学を学び,C.フリーデルに会う (61) 。帰国して,コーネル大学化学教授 (67) ,マサチューセッツ工科大学の一般化学および分析化学教授 (71) をつとめたが,健康をそこねて辞職。パリに行きウュルツの研究室でフリーデルとともに研究に従事し,1877年フリーデル=クラフツ反応を発見。帰国して再びマサチューセッツ工科大学教授 (92~97) となり,学長もつとめた (98~1900) 。

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