岩石学辞典 「クラ岩」の解説 クラ岩 この岩石の内容は様々に変化した.1894年にはアルカリ玄武岩で玄武岩質角閃石が有色鉱物の主な岩石とされたが[Washington : 1894],その後この角閃石は変化して輝石などとなったことがわかり,1900年には塩基性噴出岩で正長石と斜長石が約等量含まれ,合わせて全体の半分を占め,ネフェリンが伴われる岩石とされた[Washington : 1900].このタイプの岩石はオージャイト,橄欖(かんらん)石,変質した角閃石の斑晶が,バイトゥナイト,オージャイトなどと最終充填物のネフェリンと正長石からなる石基に含まれている[Tomkeieff : 1983].アジア,リュディア(Lydia)のクラ・デヴィト(Kula Devit)に因む.リュディア王国は紀元前670年~前546年に栄えた国で,現在のトルコ西部,エーゲ海に面した地域を占めていた. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報