岩石学辞典 「リーケの原理」の解説 リーケの原理 1894年にリーケによって述べられた原理.物質の蒸気圧が外部の圧力によって上昇するという熱力学的原理で,鉱物は圧力が最大の点が最も早く溶液に溶けて,圧力が最小の点で再結晶するようになる[Sorby : 1863, Riecke : 1894].与えられた温度および静水圧の下で平衡状態にある固相が応力を受けると,固相の化学ポテンシャルが変化して融点が下がることを示した.これはルシャテリエの法則の特殊な場合である.このリーケの考えは変成岩に適用され,応力の大きさが弾性体の部分によって異なる場合には,固相は応力の最大の点で溶解し,応力の最小の点で析出して,岩石全体としての応力を減じるように再結晶する[Riecke : 1894, 片山ほか : 1970].リーケの原理によれば各鉱物の熔融点は圧力の二乗に反比例して低下し,溶解度は圧力の二乗に比例して増大する.単位面積に最も大きな圧力が加わった部分は溶解して,その溶けた成分は粒界を移動して圧力の低い部分に再結晶して成長する[Ramberg : 1952]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
法則の辞典 「リーケの原理」の解説 リーケの原理【Riecke's principle】 一定温度,一定圧力のもとで平衡状態にある固相と液相との系に方向圧が加えられたとき,方向圧方向で直接に圧力が加わった固相は融解し,圧力の作用しない部分で再び固相に戻る.これがリーケの原理*と呼ばれ,最初は氷について研究されたが,のちに岩石(変成岩)の場合にも応用されるようになった. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報