クロム公害(読み)クロムこうがい

百科事典マイペディア 「クロム公害」の意味・わかりやすい解説

クロム公害【クロムこうがい】

クロムは安定な金属だが,原子価が6価のクロムは人体に有害で,接触すると皮膚炎,潰瘍(かいよう)を起こし,体内では肝臓障害貧血鼻中隔穿孔(せんこう),肺癌などを起こす。6価クロム合金,めっきなどに使用され,水汚染の恐れがあるので,環境基準では有害物質に指定され,基準値は0.05ppm以下。1975年7月,日本化学工業(本社・東京)の投棄したクロム鉱滓(こうさい)が市民団体によって告発され,東京都の調査の結果,東京の東部地域を中心に53万tものクロム鉱滓が低地の埋立てや宅地造成用などに投棄されていたことが判明。都は日本化学工業に対し,6価クロムを3価クロムに還元し,無害化する措置を取らせた。これを機にクロム鉱滓投棄によるクロム公害が全国各地で問題化した。

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