六価クロム(読み)ろっかクロム

精選版 日本国語大辞典 「六価クロム」の意味・読み・例文・類語

ろっか‐クロムロクカ‥【六価クロム】

  1. 〘 名詞 〙 ( クロムは[ドイツ語] Chrom [英語フランス語] chrom ) 原子価が六価のクロム。クロム酸塩重クロム酸塩などに見られる。きわめて強い酸化力があるが、硫酸第一鉄などの還元剤で還元すれば酸化力はなくなる。

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関連語 中島 名詞

改訂新版 世界大百科事典 「六価クロム」の意味・わかりやすい解説

6価クロム (ろっかクロム)

クロム化合物中で,クロムが6価として働いているとき,これを6価クロムと呼ぶ。6価クロムは三酸化クロム,クロム酸塩,重クロム酸塩などとして存在し,強い酸性を有し,他の3価のクロムなどと比較してもっとも有害性が強い。クロムの精錬,合金製造,めっき,皮革なめし,クロム化合物製造工場などが環境汚染源であり,工場作業者などでは鼻中隔穿孔喘息肺癌など職業暴露によるクロム中毒が発生している。また1975年に明るみに出た日本化学工業の東京江東区におけるクロム鉱滓投棄事件は,産業廃棄物による新しい公害問題として大きな社会的反響を呼び,〈廃棄物の処理及び清掃に関する法律〉改正のきっかけとなった。水質汚濁防止法により環境基準は0.05mg/l以下と定められている。
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百科事典マイペディア 「六価クロム」の意味・わかりやすい解説

6価クロム【ろっかクロム】

クロムが三酸化クロム,クロム酸塩,重クロム酸塩などのクロム化合物中で6価として働いているとき,これを6価クロムと呼ぶ。3価のクロムに比して有害性が強い。→クロム公害

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世界大百科事典(旧版)内の六価クロムの言及

【土壌汚染】より

…第1は,従来カドミウムなどの汚染物質の排出源は鉱山や製錬所にほぼ限定されていたが,カドミウムなどの使用量とその範囲が拡大したため,近年工場や清掃工場などが排出源になる事例が増加していることである。第2は,東京都の日本化学工業小松川工場の鉱滓(こうさい)投棄による6価クロム事件のように,非農用地における土壌汚染が問題化していることである。土壌汚染防止法は,農用地の土壌汚染のみを規制対象にしているが,今後非農用地の土壌汚染に対しても,法的に規制,対策を講ずることが望まれる。…

※「六価クロム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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