クーロン場(読み)くーろんば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クーロン場」の意味・わかりやすい解説

クーロン場
くーろんば

電気現象と磁気現象とが相互に関連するという実験事実から、電磁気現象を基本的には電磁場の概念に基づいて考えるのが今日の物理学の主流である。とくに(静止した)荷電粒子のつくる場は、静電気学で以前から知られていたクーロンの法則に従う力で特徴づけられるので、クーロン場とよばれることが多い。重力場には引力しかないのに対して、クーロン場には引力と斥力の2種類あることが特色である。クーロン場は応用上、原子物理学においてとくに重要で、原子物理における基本的な唯一の相互作用である。たとえば原子の構造を理解するうえでの本質は、電子が原子核の陽子によるクーロン引力に束縛されて、かつパウリの原理を満たしていることである。また、光の放射や散乱の現象では、このような原子内電子と原子核のクーロン場との相互作用がエネルギー的に不連続であることが本質的な役割をしている。また、原子核のクーロン場は、α(アルファ)崩壊の際にα粒子が核外へ放出される加速の原動力となっている。

[安岡弘志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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