グルガーニー(その他表記)Gurgānī, Fakhr al-Dīn As`ad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グルガーニー」の意味・わかりやすい解説

グルガーニー
Gurgānī, Fakhr al-Dīn As`ad

ペルシア,11世紀のロマンス詩人。カスピ海南東岸グルガーン出身。セルジューク朝のイスファハン太守のすすめで,パルティア伝説に基づき,約 9000句から成るロマンス叙事詩『ビースとラーミーン』 Vīs o Rāmīn (1054頃) を作詩した。メルブの王の弟ラーミーンと,メディア王妃の娘ビースとのロマンスで,『トリスタンとイズー』に似ており,13世紀初めにグルジア語に訳され,のちに英語,フランス語にも訳された。イスラム期前のペルシアから伝わるロマンスとして名高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グルガーニー」の意味・わかりやすい解説

グルガーニー
ぐるがーにー
Fakhr al-Dīn Gurgānī
(?―1073ころ)

ペルシアの詩人。セルジューク朝初期に活躍したが、その生涯はほとんど不明。1054年、セルジューク朝のイスファハーン太守の勧めでロマンス叙事詩『ビースとラーミーン』を制作し捧(ささ)げたことで文学史上特筆される。これは約9000句からなり、メルブの王子とメディアの王女のロマンスを主題とし、イスラム期以前の中世ペルシア詩形式に拠(よ)った作品として知られる。

[黒柳恒男]

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