ケアシホンヤドカリ(その他表記)Pagurus lanuginosus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケアシホンヤドカリ」の意味・わかりやすい解説

ケアシホンヤドカリ
Pagurus lanuginosus

軟甲綱十脚目ホンヤドカリPaguridae(→ヤドカリ類)。甲長約 1cm。甲,鋏脚,歩脚とも長毛で密に覆われ,黒褐色の斑点が散在する。体色は一様に地味な灰緑褐色であるが,第1触角,第2触角は鮮やかな橙黄色。ホンヤドカリ類の特徴として右の鋏脚は左よりはるかに大きい。左右とも腕節,掌部に鋭いとげがある。腹部左側には,雄では 3本,雌では 4本の腹肢がある。北海道から九州地方朝鮮半島に分布し,外洋に面した岩礁潮だまりにごく普通に見られる。ほぼ同じ分布域をもつホンヤドカリよりもやや波の荒い低潮帯にすむ。形態的にも生態的にも本種にきわめてよく似た 3種が隠蔽種として知られている。体表に斑点がないヒメケアシホンヤドカリ P. spina,白い小斑点があるホシゾラホンヤドカリ P. maculosus,歩脚の指節基部に黒い帯模様があるヨモギホンヤドカリ P. nigrofascia である。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

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