ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホンヤドカリ」の意味・わかりやすい解説
ホンヤドカリ
Pagurus filholi
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節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目ホンヤドカリ科に属する海産動物。日本全土と朝鮮半島の外洋性岩礁海岸にごく普通に生息する。満潮線付近に多く、干潮のときには石の下などに集まっている。20種以上の巻き貝を利用している。甲長1センチメートルほどの小形種で、濃い灰緑色のじみな色であるが、歩脚の先端部の白色がよく目だつ。はさみ脚(あし)は右側のものが大きい。左右とも毛はないが、とがった小さな顆粒(かりゅう)で覆われている。腹肢は雄では3本、雌では4本。抱卵期は11月から翌年3月。アメリカ太平洋岸のP. samuelisとは別種。各地の内湾の干潟には近縁のユビナガホンヤドカリP. dubiusが多い。この種は歩脚の指節が前節よりも明らかに長いので、ホンヤドカリとは容易に区別がつく。
[武田正倫]
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