ケファラスピス(読み)けふぁらすぴす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケファラスピス」の意味・わかりやすい解説

ケファラスピス
けふぁらすぴす
[学] Cephalaspidiformes

無顎(むがく)類ケファラスピス目(骨甲(こっこう)目)の魚類シルル紀後期からデボン紀後期にかけて、ヨーロッパ、ドイツ、北アメリカなど、各地地層から化石が発見されている。体は硬く厚い骨質の外骨格で覆われる。頭甲は短く、角(つの)状突起は長い。頭部結合組織は化骨しているため、脳形や頭部神経系などがよく調べられている。一般に小形の魚類であるが、デボン紀中期のケファラスピス・マグニフィカCephalaspis magnificaは全長60センチメートルにはなったと考えられる。

[籔本美孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ケファラスピス」の意味・わかりやすい解説

ケファラスピス
Cephalaspis

古生代のシルル紀からデボン紀にかけて繁栄した無顎(むがく)類の1属で,一般に甲冑魚(かつちゆうぎよ)と呼ばれているものの一つである。セファラスピスともいう。頭部は硬い骨質の甲で覆われ,眼は頭甲の中央正中線近くに近接して存在する。頭甲の背面周辺部に特殊な感覚域がある。頭部腹面は可動の小板で覆われており,水の吸出と,それにともなう摂餌に用いられたものと考えられている。底生生活に適応した魚類である。
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