外骨格(読み)ガイコッカク(その他表記)exoskeleton

翻訳|exoskeleton

デジタル大辞泉 「外骨格」の意味・読み・例文・類語

がい‐こっかく〔グワイ‐〕【外骨格】

動物体外側を覆い、体を支え、内部を保護し、筋肉の付着点となる硬い構造。甲殻甲ら貝殻など。⇔内骨格

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精選版 日本国語大辞典 「外骨格」の意味・読み・例文・類語

がい‐こっかくグヮイ‥【外骨格】

  1. 〘 名詞 〙 表皮およびその真下の結合組織より生じた骨格で、動物の体表をおおい保護する。キチン質または石灰質からなる。貝類、カニ、エビ、ウニヒトデカメなど多くの動物に見られる。皮膚骨格。

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改訂新版 世界大百科事典 「外骨格」の意味・わかりやすい解説

外骨格 (がいこっかく)
exoskeleton

脊椎動物骨格のように体の内部に形成される内骨格に対して,動物の体の表面を覆って形成される殻などの固い構造物を外骨格という。貝類,甲殻類昆虫類,多足類,腕足類などの殻が代表的なものである。皮骨などの皮膚骨格も広義の外骨格に含めることがある。すなわち,ウニ類,ヒトデ類の殻や魚類のうろこ,甲は外骨格といわれることがあるが,表皮で覆われていてその下に形成された構造物であるので,厳密には内骨格とされる。造礁サンゴ類の骨格は個体の下部体外に形成された杯状の外骨格であるが,複雑に突き出して体内へくい込むとともに,その外を伸長した表皮が覆っている。群体を作るものでは互いに融合して群体の中に包まれており,ヤギ類,ウミエラ類の骨軸は共肉の中に埋もれていて群体の内骨格のようになっている。ヒドロ虫類の外鞘(がいしよう)やコケムシ類の虫室も外骨格にあたるが,動物体から遊離している部分が多くなっている。多毛類の棲管(せいかん)などは,動物自身が体表外に分泌して作り出したものであるが,体と分離した構造物であるので,ふつう外骨格とは呼ばない。造礁サンゴ類,貝類,腕足類の外骨格は石灰質,甲殻類,昆虫類,多足類,コケムシ類,ヒドロ虫類の外骨格はキチン質あるいはそれが石灰化したものでできている。

 外骨格は体の支持,筋肉の付着部の働きをするほか,体の保護,外敵からの防御にも重要な役割を果たしている。その反面,固くて重い外骨格は体の屈曲性,可動性を阻害することが多く,外骨格の発達した動物には運動性に欠けるものや固着性のものが多い。甲殻類,昆虫類,多毛類などでは,外骨格に多数の関節があり付属肢も発達していて,すぐれた運動性をもっている。ただ,体は完全に外骨格で包まれていて成長が妨げられるため,定期的に脱皮を行って新しい外骨格が柔らかな間に体を大きくしているが,その時期は外骨格が体を保護するという役割に反する時でもある。
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百科事典マイペディア 「外骨格」の意味・わかりやすい解説

外骨格【がいこっかく】

内骨格に対する。軟体動物や節足動物などの体の外側を包む堅い殻をいう。軟体動物の貝殻は外套(がいとう)膜から分泌される炭酸カルシウム,節足動物は上皮細胞から分泌されるクチクラで,両者とも細胞が含まれていない点で共通。外骨格は体の支持,筋肉の付着部としての機能のほかに,外敵からの保護にも役立っている。節足動物では外骨格に多数の関節をもち,運動性にすぐれたものが多い。しかし,成長にあたって外骨格は制約となるため,脱皮が必要になる。
→関連項目骨格

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外骨格」の意味・わかりやすい解説

外骨格
がいこっかく
exoskeleton

内骨格に対する語で,貝類の殻,節足動物の甲などをいう。体を支え,筋肉と結んで運動の役に立つ点は内骨格と同様であるが,体をおおって保護する役目をも兼ねる点が内骨格と異なる。なお,カメの甲は内骨格の変形したもので,外骨格ではない。 (→骨格 )

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世界大百科事典(旧版)内の外骨格の言及

【骨格】より

…この点が,支柱の役割だけしかもたない建築物の骨組みと違っている。骨格には外骨格と内骨格の区別がある。外骨格というのは,昆虫や甲殻類に見られるように,体の外表を包んでいる堅い殻で,これは支柱や運動のほかに体表の保護という役目も兼ねている。…

【昆虫】より

…運動能力の発達は,両者がともに強力な筋肉の付着・支持点となりうる骨格を備えていることに基づく。ただしその方法は正反対で脊椎動物の内骨格に対して,節足動物は外骨格を発達させた。外骨格は運動力の増大のほかに,外敵と乾燥に対する防御機能も果たす。…

※「外骨格」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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