ケルビン波(読み)ケルビンは(その他表記)Kelvin wave

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケルビン波」の意味・わかりやすい解説

ケルビン波
ケルビンは
Kelvin wave

慣性重力波一種で,ケルビンによって発見された波。海岸線などの境界付近に捕捉される境界波の一種で,地球の自転の効果と海岸線などのような境界が存在することによって生じる。まっすぐに伸びた海岸線をもつ,一定水深 ( H ) の海水密度が一様な海を考える。この波は北半球では岸を右にみて進み,その速さは重力加速度g とすれば となり,波の振幅は岸から離れるに従って指数関数的に減少していく。実際の海では海水の密度は一様ではなく,鉛直方向には安定な密度成層を形成している。このとき,ケルビン波は外部モードと内部モードの2種類に分れ,外部モードの波は密度一様な海の場合のケルビン波に相当し,内部モードの波は外部モードに比べて波速は数十分の1程度となり,岸から沖へ 10km程度の幅で捕捉されることになる。このように沿岸付近に捕捉される波であるので,沿岸の流れ,潮位などの海況の長周期変動に果す役割は大きい。

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法則の辞典 「ケルビン波」の解説

ケルビン波【Kelvin wave】

ケルヴィン波*参照学会によっては,こちらを採用しているところもある.

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