日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲイシル」の意味・わかりやすい解説
ゲイシル
げいしる
Geysir
アイスランドの中央構造帯に多く存在する間欠泉の総称で、「間欠泉」を意味する英語ガイザーgeyserの語源。もとの意味は「噴き出すもの」で、「間欠」という意味は含んでいない。普通はアイスランド南西部、ホイカ谷(ハウカダルール)Haukadalurの大ゲイシル群Stórigeysirをさし、噴湯、噴気は最大60メートルに達する。1294年の火山噴火に伴って生じたと伝えられる。ほとんど透明なアルカリ泉で、一例では直径2~3メートル、深さ20メートルの熱湯で満たされた竪穴(たてあな)の底が130℃になると急激に噴く。間隔や高さは年月や地震で変わり、せっけんを投げ込むとよく噴くというが、禁止されている。
[浅井辰郎]