コオニタビラコ(読み)コオニタビラコ(その他表記)Lapsana apogonoides; nipplewort

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コオニタビラコ」の意味・わかりやすい解説

コオニタビラコ(小鬼田平子)
コオニタビラコ
Lapsana apogonoides; nipplewort

キク科越年草で,単にタビラコともいう。北海道を除く日本と朝鮮半島および中国中部に分布する。田のあぜ路傍に多くみられる。根出葉は束生してロゼット状に広がり,軟らかくほとんど無毛で,羽状に分裂する。茎は多数出て斜上し,上部で少数分枝する。早春から初夏にかけて,茎の頂部に1個ずつ,黄色の舌状花だけでできた頭状花をつける。春の七草の1つに数えられるホトケノザは本種のことで,若芽食用になる。和名は葉がロゼット状になっている様子による。なおムラサキ科キュウリグサをやはりタビラコと呼ぶことがあり,まぎらわしいので本種をコオニタビラコと呼ぶことが多い。またオニタビラコは同じキク科の別属の植物である。

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世界大百科事典(旧版)内のコオニタビラコの言及

【オニタビラコ(鬼田平子)】より

…現在は人為的に攪乱(かくらん)された場所に多いが,もともとは崩壊地の植物らしい。和名は大型な田平子(たびらこ)を意味するが,普通タビラコと呼ばれるコオニタビラコとは属が異なる。若菜は食用になるが苦い。…

【タビラコ】より

…本州~九州,朝鮮,中国に分布する。コオニタビラコとも呼び,春の七草のホトケノザは本種であるという人もいる。羽状に分裂した葉が,田の面にロゼットをなして生育するようすから〈田平子〉とよばれる。…

※「コオニタビラコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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