日本大百科全書(ニッポニカ) 「タビラコ」の意味・わかりやすい解説
タビラコ
たびらこ / 田平子
[学] Lapsana apogonoides Maxim.
キク科(APG分類:キク科)の二年草。Lapsanastrum(ヤブタビラコ)属とする説もある。稲作の合間を縫い、水の落ちた田に生える。春の七草のホトケノザは本種であるといわれる。羽状に分裂した葉がきれいなロゼットをなし、そのようすから田平子と名づけられた。コオニタビラコともいう。切ると乳液が出る。4~5月ごろ10センチメートルほどの花茎を斜めに伸ばし、径7ミリメートルほどの小さな黄色の頭花をまばらにつける。頭花は舌状花のみからなり、朝開き夕方閉じ、結実すると下を向く。痩果(そうか)には冠毛がなく、先端に小突起がある。本州、九州、朝鮮半島、中国に分布する。若葉を摘み、ゆでて食用とする。なお、ムラサキ科のキュウリグサをタビラコとよぶこともある。
[森田龍義 2022年3月23日]