キュウリグサ(読み)きゅうりぐさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キュウリグサ」の意味・わかりやすい解説

キュウリグサ
きゅうりぐさ / 胡瓜草
[学] Trigonotis peduncularis (Trevir.) Benth.

ムラサキ科(APG分類:ムラサキ科)の越年草。茎は高さ10~30センチメートル。全体に伏毛がある。茎の上部の葉は長楕円(ちょうだえん)形で柄がなく、下部の葉は柄がある。3~5月、先が渦状に巻いた総状花序に小さな青色の5弁花を多数開く。花序には包葉がない。4個の分果は先がとがり、滑らかで短い柄がある。畑や道端に普通に生え、日本全土、アジアに広く分布する。名は、葉をもむとキュウリに似た香りがあるところからつけられたという。別名タビラコともいうが、春の七草のタビラコはキク科の別種である。キュウリグサ属は、分果は多くが四面体で平滑である。世界に約40種、そのうち日本には6種分布する。

[高橋秀男 2021年7月16日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キュウリグサ」の意味・わかりやすい解説

キュウリグサ(胡瓜草)
キュウリグサ
Trigonotis peduncularis

ムラサキ科の越年草。別名タビラコ。路傍原野に自生する。根葉卵円形,長い柄があり多数叢生する。春,15~30cmの茎が伸びて総状花穂となる。花は5裂の花冠で淡藍色で小さい。これをつぶして嗅ぐと,キュウリのような臭いがするのでこの名がある。なお春の七草のコオニタビラコ (ホトケノザ) は本種ではない。

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