コシアカキジ(読み)こしあかきじ(その他表記)fireback

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コシアカキジ」の意味・わかりやすい解説

コシアカキジ
こしあかきじ / 腰赤雉
fireback

鳥綱キジ目キジ科コシアカキジ属に含まれる鳥の総称。同属Lophuraは、ヒマラヤ、中国南部、台湾、マレー半島スマトラ島ボルネオ島などに分布し、全部で10種いる。雄は全長80センチメートル、尾が大きくて長く、頭によく目だつ冠羽があるのが特徴で、羽色は黒、紫、橙(だいだい)、黄、白などからなる。雌は全長57センチメートル、全体に赤褐色をしている。よく知られたものに、ハッカン、オジロコシアカキジ、サンケイなどがいる。森林竹林、低木林などにすみ、地上を歩きながら小動物や植物の種子をとって食べる。地上に簡単な巣をつくり、数個から10個ぐらい産卵する。この類のなかには観賞用として動物園などで飼われるものが多い。

[樋口広芳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コシアカキジ」の意味・わかりやすい解説

コシアカキジ
Lophura ignita; crested fireback

キジ目キジ科。全長 68cm。オジロコシアカキジ L. i. rufa など 4亜種がある。雄は顔の裸出した部分が紫色,頭,背が紫青色。腰は赤褐色。胸腹部は紫青色。尾は長く,中央の 2枚は白く,ほかの尾羽は紫青色。脚は赤い。紫青色の扇形の冠羽(→羽冠)がある。雌は雄よりやや小さく,全体に褐色で,胸腹部には白い縦斑がある。雄と同様に冠羽をもつ。ミャンマー南端からマレー半島インドネシアスマトラ島ボルネオ島低地に分布する。近縁種に,キジ愛好家の間でよく飼育されているハッカン,シマハッカン L. diardi などがある。シマハッカンは近年,絶滅の危機に瀕している。

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