コベア(その他表記)Cobaea scandens Cav.

改訂新版 世界大百科事典 「コベア」の意味・わかりやすい解説

コベア
Cobaea scandens Cav.

ハナシノブ科のつる性半灌木。原産地はメキシコ。コベアの属名は,スペインのイエズス会の神父コボB.Coboにちなんでつけられたもの。日本への渡来は明治初年といわれるが,販売されたのは1907年ころからとされている。茎は木質化する多年生のつる植物で,巻きひげを有し,他物にからみついて茂り,高さ5~8mに達する。葉は広楕円形で,新葉は赤みを帯びる。5~10月の間,葉腋(ようえき)より長い花梗上に,直径3~4cmほどの大型鐘状花を単生する。花色は開花初期は緑色を帯びるが,やがてすみれ色となる。白色の園芸品種もある。園芸的には通常,戸外の春まき一年草として扱う。4月ころ種子をまき戸外で栽培をし,夏から秋に花を咲かせる。挿木でも殖え,温室で冬季10℃以上に保てば越冬し多年生つる木本となる。
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百科事典マイペディア 「コベア」の意味・わかりやすい解説

コベア

ツルコベアとも。メキシコ原産のハナシノブ科の多年生つる植物。長さ5〜10mになり,巻きひげではい上がり,古株は木本(もくほん)化する。葉は頂小葉が巻きひげになった羽状複葉で,4〜6小葉がある。花は大型の鐘状で緑色から紫紅色に変わり,萼は大きく葉状で5裂する。園芸品種に白花もある。越冬温度は8〜12℃。実生(みしょう)またはさし芽でふやす。

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