化学辞典 第2版 「コランダム型構造」の解説
コランダム型構造
コランダムガタコウゾウ
corundum type structure
組成がA2B3の型の無機化合物にみられる典型的構造の一つ(図(a)).三方晶系で空間群Rcの対称をもち,単位格子中に2化学単位が含まれる.B原子はひずんだ面心立方構造型配列をしており,A原子はその八面体間げきの2/3を占めている.A原子のまわりにB原子がつくる配位八面体は,面を共有して2個が一組になっており,これらがさらに稜を共有して三次元的に連なっている.図(b)は六方晶系の単位格子での(20)面への投影である.コランダムAl2O3のほか,Cr2O3,α-Fe2O3,Ti2O3,V2O3,γ-Al2S3,Co2As3などがこの型の構造をとる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報