投影(読み)トウエイ

デジタル大辞泉 「投影」の意味・読み・例文・類語

とう‐えい【投影】

[名](スル)
物の影を平面に映し出すこと。また、その影。
ある物の存在影響が、他の物の上に現れ出ること。「子供に親の性格投影される」
数学で、物体に平行光線を当てて、その影を平面上に映すこと。また、その影の図。
心理学で、考え方や行動に心の内面が表現されること。自分の性質他人の性質にしてしまうこと。投射。→同一視
[類語]映写上映試写クローズアップ大写し映す映し出すシルエット影法師陰影暗影人影射影斜影倒影シャドー照射照らす照明投光投射

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精選版 日本国語大辞典 「投影」の意味・読み・例文・類語

とう‐えい【投影】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 地上・水面などにものの影が映ること。また、その影。
    1. [初出の実例]「晴れ渡った天空の藍のもとに、馬上の人は黒く地に投影し」(出典:断橋(1911)〈岩野泡鳴〉一一)
  3. 比喩的に、ある物の存在や影響が、他の物の上に具体的な形となって現われること。また、その形。
    1. [初出の実例]「自分の内に、世界に投影する何等の価値を持たない者が」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生東京を去る)
  4. 数学で、物体に平行光線をあてて、その影を平面上に写すこと。また、その影の図。平行光線と平面とが垂直のとき正射影、そうでないとき斜投影または斜射影という。

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改訂新版 世界大百科事典 「投影」の意味・わかりやすい解説

投影 (とうえい)

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世界大百科事典(旧版)内の投影の言及

【投射】より

…無意識の作用による自我の防衛機制の一つ。投影ともいう。自分自身の資質,欲求,感情等を認められない,あるいは認めたくないときに,それらのものが自分のものではなく,他の人や物にあるかのように感じとる作用。…

【画法幾何学】より

…1799年に出版された彼の著書《Géométrie descriptive》が以後画法幾何学の原典になり,いちはやく各国の軍事関係の学校で学習され,その後は工業製図の分野に大きな影響を及ぼした。
[投影法とその種類]
 ある物体(空間図形)を一つの集合と考えたとき,いまその1点Aをとりあげて,これを物体の先方に置いた平面Pに見通せば,P上にはこれに対応する点A′を印することができる。このような操作を投影projectionまたは投象といい,平面Pを投影面と呼ぶ。…

※「投影」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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