褐簾石(読み)かつれんせき(その他表記)allanite

精選版 日本国語大辞典 「褐簾石」の意味・読み・例文・類語

かつれん‐せき【褐簾石】

  1. 〘 名詞 〙 緑簾(りょくれん)石の一種褐色ないし黒色半透明または不透明の亜金属光沢をもつ。単斜晶系柱状または塊状結晶。酸性火成岩中、またはペグマタイト中に産出。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「褐簾石」の意味・わかりやすい解説

褐簾石
かつれんせき
allanite

希土類元素を主成分とする、緑簾石グループの鉱物の一種。柱状結晶をなし、結晶面に条線がよく発達する。弱放射性があり、褐簾石自体の放射能によって結晶が破壊され、X線的には非晶質になることがある。この状態をメタミクトmetamict状態といって、ほかにも何種類か知られる。花崗(かこう)岩の副成分鉱物として、またペグマタイト中に大きな結晶として産する。片麻(へんま)岩や接触変成岩中にも産する。希土類元素の種類によって細分される。普通に産する褐簾石は、セリウムがもっとも卓越するため、セリウム褐簾石allanite-(Ce)とよぶ。英名はこの鉱物を発見したスコットランドの鉱物学者アランThomas Allan(1777―1833)にちなむ。

松原 聰]


褐簾石(データノート)
かつれんせきでーたのーと

褐簾石
 英名    allanite
 化学式   Ca(REE)Fe2+Al2(Si2O7)(SiO4)O(OH)*
 少量成分  Fe3+,Th
 結晶系   単斜**
 硬度    5.5~6
 比重    3.9~4.0
 色     暗褐~黒
 光沢    脂肪~亜金属
 条痕    淡灰褐
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   *REE=希土類元素,おもにCe,La,Yなど
       **メタミクト状態では非結晶質

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最新 地学事典 「褐簾石」の解説

かつれんせき
褐簾石

allanite-(Ce)

化学組成Ca(Ce, Ca)(Al, Fe)3(Si2O7)(SiO4)O(OH),緑れん石族(一般式A2B3(Si2O7)(SiO4)O(OH))の一種。単斜晶系,空間群P21/m,格子定数a0.8927nm, b0.5761, c1.0150, β114.77°,単位格子中2分子含む。亜金属,ピッチ状または樹脂状光沢,褐~黒色,柱状~板状,条痕黒褐~灰色。断口不規則または亜貝殻状,脆弱。硬度5.5~6,比重4.0。劈開なし,または不完全。薄片中多色性顕著,X=淡褐,Y=褐,Z=暗褐,二軸性,一般に負,屈折率α1.67~1.79, β1.65~1.82, γ1.66~1.83,2Vx0°~123°,光分散rv。Thを少量含み,放射性,メタミクトの場合もある。メタミクト化したものの硬度は低く,含水量が多く,塩酸に可溶。花崗岩・閃長岩・ペグマタイト・片麻岩中に産出。1808年に本鉱物を論文発表した英国の鉱物学者T.Allenにちなみ命名。結晶形態からギリシア語の「まっすぐ」の意でオーサイト(orthite)とも呼ばれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「褐簾石」の意味・わかりやすい解説

褐簾石
かつれんせき
allanite

緑簾石 (りょくれんせき) の一種。 (Ca,Ce,Th)2(Fe2+,Fe3+,Al)3(OH)Si3O12 。単斜晶系,褐色ないし黒色。花崗岩,閃長石,ペグマタイト,片麻岩などに産出する。比重 3.4~4.2,硬度5~6.5。

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