希土類元素を主成分とする、緑簾石グループの鉱物の一種。柱状結晶をなし、結晶面に条線がよく発達する。弱放射性があり、褐簾石自体の放射能によって結晶が破壊され、X線的には非晶質になることがある。この状態をメタミクトmetamict状態といって、ほかにも何種類か知られる。花崗(かこう)岩の副成分鉱物として、またペグマタイト中に大きな結晶として産する。片麻(へんま)岩や接触変成岩中にも産する。希土類元素の種類によって細分される。普通に産する褐簾石は、セリウムがもっとも卓越するため、セリウム褐簾石allanite-(Ce)とよぶ。英名はこの鉱物を発見したスコットランドの鉱物学者アランThomas Allan(1777―1833)にちなむ。
[松原 聰]
allanite-(Ce)
化学組成Ca(Ce, Ca)(Al, Fe)3(Si2O7)(SiO4)O(OH),緑れん石族(一般式A2B3(Si2O7)(SiO4)O(OH))の一種。単斜晶系,空間群P21/m,格子定数a0.8927nm, b0.5761, c1.0150, β114.77°,単位格子中2分子含む。亜金属,ピッチ状または樹脂状光沢,褐~黒色,柱状~板状,条痕黒褐~灰色。断口不規則または亜貝殻状,脆弱。硬度5.5~6,比重4.0。劈開なし,または不完全。薄片中多色性顕著,X=淡褐,Y=褐,Z=暗褐,二軸性,一般に負,屈折率α1.67~1.79, β1.65~1.82, γ1.66~1.83,2Vx0°~123°,光分散r>v。Thを少量含み,放射性,メタミクトの場合もある。メタミクト化したものの硬度は低く,含水量が多く,塩酸に可溶。花崗岩・閃長岩・ペグマタイト・片麻岩中に産出。1808年に本鉱物を論文発表した英国の鉱物学者T.Allenにちなみ命名。結晶形態からギリシア語の「まっすぐ」の意でオーサイト(orthite)とも呼ばれた。
執筆者:岩崎 正夫・端山 好和・宮脇 律郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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