コルク組織(読み)コルクそしき(英語表記)cork tissue

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルク組織」の意味・わかりやすい解説

コルク組織
コルクそしき
cork tissue

細胞壁にコルク質を沈着した植物組織。コルク質の主成分はスベリン (木栓質) である。茎あるいは根の皮層に生じたコルク形成層から,内外に向って細胞分裂により新しい層がつくりだされるが,そのうち外側に向けての,より量の多い組織がコルク組織であり,内側に生じるものはコルク皮層という。コルクを沈着した細胞壁は薄いことも多いが,コルクガシなどでは壁も肥厚し,全体としても著しく厚い層となるので,加工してコルク製品に利用される。コルクは水を通さず,軽く,弾力があるが,これはスベリンの性質によるほか,細胞の死滅したあとの細胞壁が空気を含んだ無数の小室としてコルク組織を形成しているからである。 R.フックは,この小室を顕微鏡で観察して,最初に細胞 cell (小室の意味) の名を与えた (1665) 。

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