日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コルネリア・デ・ランゲ症候群
こるねりあでらんげしょうこうぐん
Cornelia de Lange syndrome
出生時から奇形を伴う先天性疾患。この疾患の最初の報告者名を冠して命名され、略称はCdLS。デ(デュ)・ランゲ症候群ともよばれる。低身長症や発達遅滞など先天性の成長障害のほかに、多毛とくに眉毛(まゆげ)の密生や両眉の癒合(ゆごう)、曲がった長いまつげ、小さい鼻、下がった口角と薄い唇など特異な顔貌(がんぼう)と、弱くうなるような泣き声、短小な四肢や曲がった指および合指、小短頭症などを特徴とする。同時に精神発達遅滞や上下肢の身体奇形を伴うことも多い。ほかに胃食道逆流などの機能不全、横隔膜ヘルニアほか心奇形など内臓奇形、口蓋裂(こうがいれつ)、難聴などを伴うこともある。男子では精巣が陰嚢(いんのう)内に到達せずに途中でとどまる停留精巣もみられ、遺伝子異常の症例も報告されている。症状は内臓奇形の程度にも左右され、軽症から重症までさまざまである。日本では小児慢性特定疾患に加えられ、2015年(平成27)から新たに医療費助成の対象となった。
[編集部]