日本大百科全書(ニッポニカ) 「コルバート」の意味・わかりやすい解説
コルバート
こるばーと
Edwin Harris Colbert
(1905―2001)
アメリカの古生物学者。アイオワ州クラリンダに生まれ、ネブラスカ大学卒業。修士(1930)と哲学博士(1935)の学位はコロンビア大学で取得。両生類と爬虫(はちゅう)類(とくに恐竜類)の化石の研究を通じて脊椎(せきつい)動物の進化に関する著書が多く、数冊は邦訳がある。代表作は『Evolution of the Vertebrates : A History of the Backboned Animals through Time』(1955。邦訳『脊椎動物の進化』)。職歴は、ニューヨークのアメリカ自然史博物館の研究助手(1930~1932)に始まり、同博物館では最後に古脊椎動物学部長(1960~1966)となったが、同時にコロンビア大学の動物学部講師、古脊椎動物学教授(1945~1969)を歴任した。その後引退して、それぞれの名誉部長と名誉教授を務め、北アリゾナ博物館に移って、なお古脊椎動物学の研究と著述に携わった。ほかに『Digging into the Past』(1989。『過去を掘る』)、『The Little Dinosaurs of Ghost Ranch』(1995。『ゴースト牧場の小さな恐竜』)などの著書がある。国立科学アカデミーのダニエル・ジロー・エリオット賞(1935)、アメリカ自然史博物館賞(1970)、アメリカ古脊椎動物学会のローマー‐シンプソン賞(1989)ほかの受賞がある。
[川島誠一郎]
『田隅本生訳『新版脊椎動物の進化』上下(1978・築地書館)』▽『E・H・コルバート著、長谷川善和訳『恐竜はどう暮らしていたか』(1986・どうぶつ社)』▽『エドウィン・H・コルバート著、小畠郁生・亀山龍樹訳『恐竜の発見』(ハヤカワ文庫)』