日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロノ」の意味・わかりやすい解説
コロノ
ころの
colono
本来はラテンアメリカの入植民を意味し、白人入植農民をさすこともある。一般的には、ラテンアメリカの従属度の強い小作農の総称として用いられ、国、地域によってさまざまな名称をもつ。たとえば、エクアドルではワシプンゲロhuasipunguero、ペルーではヤナコーナyanacona、チリではインキリノinquilinoとよばれ、労働地代もしくは生産物地代を納め、アシエンダ(大農場)主である地主に従属し、その追加労働力源ともなっている。またアンデス地域の雇役小作農、ブラジルのコーヒー農場労働者、革命前のキューバのサトウキビ農民などに対してもコロノの名称が用いられる。
[原田金一郎]