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自作農 じさくのう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自作農
じさくのう

土地所有の関係からみた農家の分類の一つ。すべて自己の所有する土地を耕作するか,あるいはほかから借地している部分を含んでいる場合でもその耕作する土地の 90%以上が自己の所有地である農家。

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デジタル大辞泉の解説

じさく‐のう【自作農】

自分の土地を自分で耕作・経営する農家。また、そういう農業経営。自作。⇔小作農

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百科事典マイペディアの解説

自作農【じさくのう】

自分の耕作する土地の全部または大部分が自分の所有地である農業経営者農林統計では所有地が90%以上の場合をいい,50%以上90%未満を自作兼小作農自小作農)とする。

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世界大百科事典 第2版の解説

じさくのう【自作農】

経営耕地のすべて,もしくはそのほとんどを自分が所有する農家をいう。1908年から40年に〈帝国農会〉の手で行われた〈農事統計〉では,経営耕地を自分で所有するものを自作農家とすることになってはいたが,実際には各地域の通念にしたがって統計上の分類が行われることが少なくなかった。そこで農林省は,41年から自小作別農家の分類基準を明確にし,経営耕地の9割以上を自己が所有するものを自作農家と規定した。農林省による55年以降の自小作別農家分類も,この1941年の基準にしたがっている。

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大辞林 第三版の解説

じさくのう【自作農】

自分の所有地を自力で耕作する農業経営。また、その農民。自作。 ↔ 小作農

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自作農
じさくのう

自作農を一般的に、かつ広義にとらえると、家族労働力を主体にして農業を営む農家が、その経営する農用地(耕地のほか採草放牧地を含む)を自ら所有する場合をいうといっていい。逆に、農家が経営農用地を借り入れる場合が小作農である。しかし、日本では一般に、経営耕地の所有関係だけを基準に、その所有者を自作農とよんでいる。そして、官庁の農業統計では、1941年(昭和16)から、「経営耕地の90%以上を自分が所有する農家」を自作農とし、「50~90%」所有農家を自小作農、「10~50%」所有農家を小自作農、「10%以下」所有農家を小作農とする基準を採用し、第二次世界大戦後の農業センサスでもこの基準を採用してきた。[暉峻衆三]

地主制度の時代

第二次世界大戦前の日本の農業は、過剰労働力の根強い滞留と結び付いて零細経営農家が土地にしがみついて生きていかざるをえなかった。そのもとで地主は小作農家から高額(率)小作料を主として現物(米が中心)の形で徴収した。零細経営が支配的な日本農業において、小作農家の経営はとりわけ零細なものが多く、農業生産力、生活ともに劣悪であった。これに対して、自作農は地主による小作料徴収もなく、概して農業生産力、生活ともに高く安定していた。彼らは経営面積規模が比較的に大きく、牛馬や、年雇などの雇用労働力を抱えた富農層の一群と、経営規模は零細であるが、同時に地主的性格ももった地主自作層の一群に分化していた。
 貧しい小作農の存在は、大正期以降、小作争議を激発させて日本の統治体制を動揺させるとともに、戦時期に入ると、至上課題である食糧増産をも困難にした。こうして政府は、1920年代以降、戦時期にかけて、体制の安定と食糧増産を図るために自作農創設維持政策を展開した。[暉峻衆三]

自作農体制の成立

この自作農創設政策が一挙に劇的に展開されたのが、敗戦後の占領政策の一環として行われた農地改革であった。これにより農地に立脚する地主制度は基本的に解体され、自作農体制が成立することになった。戦前(1941年)と改革直後(1949年)を対比すると、自作地は54%から87%に、また、自作農は28%から55%にほぼ倍増、自小作農も21%から28%に増え、逆に小作農は28%から8%に、小自作農も22%から7%に大きく減った。日本の農家はいまや、自作化を著しく強めることによって、地主の小作料収取を受けることなく農業生産力の増進に励み、その労働の成果を手にする契機を与えられた。1980年の農業センサスでは、都府県の自作地率は94%、自作農は86%、自小作農10%と、一段と自作化が進んだ。[暉峻衆三]

状況の変化

しかし、農地改革からさらに第二次世界大戦後の高度経済成長を経て日本農業をめぐる状況が大きく変化するなかで、農家を自作か小作かによって区分することの意味はしだいに薄れ、とくに1980年代以降のセンサスや農業統計ではそういった区分は統計上も表出されなくなっていることに留意する必要がある。その要因は以下の2点にまとめられよう。
(1)農地改革によって農家は全体として自作農としての性格を格段に強め、わずかに残る小作地についても小作農の耕作権が著しく強化され、小作料も低額に抑えられて、小作農と自作農の差異が狭められた。
(2)1960年代の高度経済成長以後の日本経済の発展のもとで、農家の農地所有と利用をめぐる状況に変化が生じた。
 前記の(2)については次のような状況の変化があった。急激な経済発展のもとで戦前来の農村過剰労働力問題が解消し、農業者の就業機会が増大した。戦前とは逆に、零細経営農家が離農、兼業化を強めてその所有農地の貸し手に回り(「地主化」)、上層の専業的農家層が規模拡大のために農地の借り手に回る(「小作農化」)という状況が生まれた。2000年の農業センサスにより各農家階層別の所有農地面積のうち貸付けに回されているものの割合をみると、経営規模0.5ヘクタール未満の販売農家は17%、自給的農家は33%と高く、逆に上層の販売農家ほどその割合は低下して、最上層の3ヘクタール以上層では1.7%にしかすぎず、借地への依存度が高くなっている。なお、ここでいう販売農家とは、経営耕地面積30アール以上または農産物販売金額50万円以上の農家である。また、自給的農家とは、販売農家の最低基準以下の農家である。
 第二次世界大戦前の農村過剰労働力と地主制度の存在下では、貧しい小作農と対比される自作農は農業生産力と生活水準のより高く安定した存在として意義をもち、農業政策の重要課題としても自作農創設維持が追求された。だが、農地改革を経て今日の段階になると、資産価値としての農地の所有状況の違いによる階層差は意味をもつにしても、農家による農地の経営的利用と所有を関連させた自作か小作かの違いは、もはやかつてのような農業生産力と生活水準の優劣を示す指標としての意味をもたなくなったといってよい。[暉峻衆三]
『暉峻衆三著『日本農業問題の展開』上下(1970、84・東京大学出版会) ▽暉峻衆三編『日本農業100年のあゆみ』(1996・有斐閣) ▽宇佐美繁編著『日本農業――その構造変動』(1997・農林統計協会)』

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世界大百科事典内の自作農の言及

【自作農創設維持政策】より

…自作農の創設維持を目的として,土地購入を財政的に補助するための政策。第1次大戦後,小作争議が盛んとなり,深刻となった小作問題への対応策として登場し,1926年5月21日公布の自作農創設維持補助規則によって開始される。…

【農業】より

…それは乳・肉類の消費が少ないという日本人の伝統的な食生活慣行にもよるが,この畜産が本格的に発達してきたのは1950~60年代以降のことである。 第2は社会経済的な特徴であって,(1)第2次大戦以前に日本農業を支配してきた地主制が,戦後の農地改革によってほぼ完全に一掃され,農家のほとんど全部が自作農になったことである。かつては耕地の半ば近くが地主所有の小作地であったが,今日ではその大部分が自作地となり,農家は自分の所有地で農業を営む自作農となっている。…

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