改訂新版 世界大百科事典 「コロハ」の意味・わかりやすい解説
コロハ
fenugreek
Trigonella foenum-graecum L.
全体に強香のあるマメ科の一年草。高さ40~60cm,茎は直立し,まばらに柔毛を有することがある。葉は互生,3出複葉で,小葉は広披針形,長さ2~3cm。花は夏季に1~2個が葉腋(ようえき)につき,白色のち淡黄色となる。果実は長円柱状の豆果で,先は長くとがり,湾曲し,長さ6~15cm。種子は卵形。西南アジア地域が原産と推定され,インド西部には野生のものもある。地中海地域からインドにかけて栽培され,インドでは若い豆果を食用にする。種子は香辛料に利用され,生育が旺盛なので飼料としても利用される。また種子にはトリゴネリンやコリンを含み,薬用とされる。
よく似たレイリョウソウT.caerulea Ser.も匂いの強い植物で,食用にされるほかに,チーズの香りつけにヨーロッパで利用されている。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報