日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンクリートポンプ」の意味・わかりやすい解説
コンクリートポンプ
こんくりーとぽんぷ
concrete pump
液体をポンプで圧送するのと同様に、練り上がったコンクリートをパイプによって打込み場所まで輸送する機械。日本でコンクリートポンプが本格的に使用されたのは1950年代以降のことである。1965年(昭和40)ごろトラックに架装したコンクリートポンプ車が開発され、急速に普及し、コンクリート工事の主力施工機械として定着している。現在用いられている形式としては、ピストンを油圧などで駆動してコンクリートを圧送するピストン式が一般的である。このほか、コンクリートをゴムチューブに吸い込ませ、これを絞り出す構造のスクイズ方式、可撓(かとう)性の膜を水圧によって動かして圧送するダイヤフラム式なども使われている。これらには種々の仕様、能力のものがあり、用途に応じ選択できる。長距離または高所圧送用では、水平方向1000メートル程度、垂直方向100メートル以上の輸送能力をもつ機種もある。架装形式には、トラック架装のポンプ車、輸送パイプを装置したブームboomを備えたブーム付きポンプ車、および定置式コンクリートポンプなどがある。