コンシャーンス(その他表記)Hendrik Conscience

改訂新版 世界大百科事典 「コンシャーンス」の意味・わかりやすい解説

コンシャーンス
Hendrik Conscience
生没年:1812-83

ベルギーフランドル)の小説家。アントワープの港務所次長の息子として同地に生まれる。はじめフランス語で詩を書いたが,やがて郷土への愛情からフランドル語で作品を発表した。1566年のカルバン派民衆による〈聖像破壊〉を描いた処女作《驚異の年》(1837),《フランドルの獅子》(1838),《農民戦争》(1853)など,圧政者に対する先人の抵抗とその栄誉をたたえた叙事詩的な歴史小説でフランドル・ロマン主義第一人者となった。また《徴集兵》《盲のローザ》(ともに1850)などの哀傷的,ロマンティックな田園小説を書いて,民衆に愛郷心を鼓吹した。
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関連語 渋沢

世界大百科事典(旧版)内のコンシャーンスの言及

【ベルギー】より

…その先駆はド・コステルCharles De Coster(1827‐79)(《オイレンシュピーゲルの伝説と冒険》)で,1881年から《若きベルギーJeune Belgique》誌によったベルハーレン,ロデンバック,メーテルリンクなどが,象徴主義の画家たちとも交流して,その全盛時代を築いた。フラマン語では,コンシャーンスHendrik Conscience(1812‐83)が,歴史小説《フランドルの獅子》(1838)でフラマン民族の覚醒を促し,ヘゼレも抒情詩で名高い。このほかベルギーの生んだ文化人としては,シムノン(文学),C.フランク(作曲),ピレンヌ(歴史学),ケトレ(統計学),メルシエ枢機卿(カトリック哲学),ミショー(文学,絵画)が著名で,自然科学の分野では,ボルデ(細菌学),ヘイマンス(生理学)の2人のノーベル賞受賞者を出した。…

【ベルギー】より

…その先駆はド・コステルCharles De Coster(1827‐79)(《オイレンシュピーゲルの伝説と冒険》)で,1881年から《若きベルギーJeune Belgique》誌によったベルハーレン,ロデンバック,メーテルリンクなどが,象徴主義の画家たちとも交流して,その全盛時代を築いた。フラマン語では,コンシャーンスHendrik Conscience(1812‐83)が,歴史小説《フランドルの獅子》(1838)でフラマン民族の覚醒を促し,ヘゼレも抒情詩で名高い。このほかベルギーの生んだ文化人としては,シムノン(文学),C.フランク(作曲),ピレンヌ(歴史学),ケトレ(統計学),メルシエ枢機卿(カトリック哲学),ミショー(文学,絵画)が著名で,自然科学の分野では,ボルデ(細菌学),ヘイマンス(生理学)の2人のノーベル賞受賞者を出した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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