ごある(読み)ゴアル

デジタル大辞泉 「ごある」の意味・読み・例文・類語

ごあ・る

[動ラ四]《「ござる」の音変化》
「ある」の意の丁寧語。ございます。
「生まれてこのかた、湯風呂を仕まつったことも―・らぬ」〈虎明狂・粟田口
補助動詞)補助動詞「ある」の意の丁寧語。
友達に損かける忠兵衛では―・らぬ」〈浄・冥途の飛脚

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精選版 日本国語大辞典 「ごある」の意味・読み・例文・類語

ごあ・る

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「ござる」の変化した語 ) 「ある」の意の丁寧語。ございます。あります。ごわる。補助動詞としても用いる。主として武家奴(やっこ)などの用いたことば。
    1. [初出の実例]「心のすぐになひもので御ある」(出典:虎明本狂言・磁石(室町末‐近世初))
    2. 「つとめをさせたうごありやす」(出典:洒落本・契情買虎之巻(1778)一)

ごあるの語誌

( 1 )単独例および「ます」「まらす」をともなって用いられることがあるほか、「…でごある」「形容詞+ごある」の形で補助動詞としても多く用いられた。
( 2 )使用者は、室町末期から江戸時代の、主として武家奴に限られ、位相語と言えるが、気負った場面等では、通人など、奴以外の者の使用例も見られる。

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