ごあんす(読み)ゴアンス

デジタル大辞泉 「ごあんす」の意味・読み・例文・類語

ごあん・す

[動サ特活]《「ござんす」の音変化》
「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。
「前は再々―・して、何が怖うて逃げさんす」〈浄・二枚絵草紙〉
補助動詞)補助動詞「ある」の意の丁寧語。ございます。
「なんの気随で―・しょ」〈浄・反魂香
[補説]活用は「ござります」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ごあんす」の意味・読み・例文・類語

ごあん・す

〘自サ特活〙 (「ござんす」の変化した語)
[一]
① 「行く」「来る」「居る」の意の尊敬語。いらっしゃる。近世、主として遊里で用いた語。
浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)下「まへはさいさいごあんして、何がこはふてにげさんす」
② 「ある」の意の丁寧語。あります。
[二] 補助動詞として用いられる。補助動詞「ある」の意の丁寧語。近世、遊女など特別な人に用いられ、東国人や、中間、小者のことばとして、「でごあんすでござんす」「でごあんすでごあんす」の形でも用いる。ございます。あります。
※歌舞伎・面向不背玉(1697)中「胴欲仰せられやうでごあんすでござんす」
※浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)中「アア、あのさんはいの、あたまからしからんす。なんのきずいでごあんしょ」

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