ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴービンダ」の意味・わかりやすい解説
ゴービンダ
Govinda
[没]720頃
インドのバラモン教の学者。生涯の詳細は不明。大哲学者シャンカラの著作中に,シャンカラが彼の弟子である旨が記されている。著作は今日に伝わらないが,『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』に対して注解書を著わしたらしい。
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…〈ベーダーンタ〉という語はウパニシャッドを指し,ウパニシャッドに絶対的権威を認め,その統一的解釈と体系化を目ざしたが,学派の伝統が確立すると,ウパニシャッドのみならず,《バガバッドギーター》と《ブラフマ・スートラ》をも併せて,〈三つの体系(プラスターナトラヤPrasthānatraya)〉と呼び,基本的な文献と見なした。 《ブラフマ・スートラ》成立後の学派の展開は必ずしも明確ではないが,8世紀前半のシャンカラの出現に至るまでのおよそ300年間に活躍した学者の名前が10名ほどあり,その著作も現存している学者に,文法学にベーダーンタ哲学を導入したバルトリハリ(5世紀後半),仏教の影響を強く受けたガウダパーダ(640ころ‐690ころ),その弟子でシャンカラの師と伝えられるゴービンダGovinda(670ころ‐720ころ),シャンカラとは立場を異にする不二一元論を説いたマンダナミシュラMaṇḍanamiśra(670ころ‐720ころ)がいる。マンダナの同時代の後輩であったと思われるシャンカラは新しい不二一元論の立場から《ブラフマ・スートラ》の注釈を著し,ベーダーンタ学派中最も有力な不二一元論派の開祖となった。…
※「ゴービンダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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