デジタル大辞泉 「良い」の意味・読み・例文・類語
よ・い【良い/善い/▽好い/▽吉い/▽佳い】
1 (多く「良い」「好い」と書く)人の行動・性質や事物の状態などが水準を超えているさま。
㋐質が高い。上等である。「―・い友に恵まれる」「―・い品」⇔悪い。
㋑能力がすぐれている。上手である。うまい。「腕の―・い職人」「感度の―・いラジオ」⇔悪い。
㋒美しい。すばらしい。「器量が―・い」「―・い景色」⇔悪い。
㋓良好である。健全である。健康である。「からだもすっかり―・くなった」「気分の―・い朝」⇔悪い。
㋔地位や身分が高い。また、社会的にしっかりしている。「―・い家柄」「育ちの―・い人」⇔悪い。
㋕経済的に栄えている。裕福である。「懐ぐあいが―・い」「暮らし向きが―・い」⇔悪い。
㋖利益の面ですぐれている。有益である。有利である。「割の―・い仕事」「―・い値で売れる」⇔悪い。
㋗効き目がある。効果的である。「胃腸病に―・い温泉」⇔悪い。
㋘向いている。ふさわしい。恰好である。好適である。「海水浴に―・い季節」「ちょうど―・い時に来た」⇔悪い。
㋙自分の好みに合っている。望ましい。「私はビールが―・い」「住むなら郊外が―・い」
2 (多く「良い」「善い」と書く)人の行動・性質や事物の状態などが、当否の面で適切・適当な水準に達しているさま。
㋐正しい。正当である。善である。「日ごろの行いが―・い」「態度が―・い」「人柄が―・い」⇔悪い。
㋑好ましい。好感がもてる。「返事に元気があって―・い」
㋒満ち足りている。幸せである。「一人で―・い思いをする」「君に会えて―・かった」
㋓親切である。やさしい。「土地の人に―・くしてもらう」「気立てが―・い」⇔悪い。
㋔人と人との間が円満である。むつまじい。「職場の人間関係が―・い」⇔悪い。
㋕十分である。不足がない。「度胸の―・い人」「覚悟は―・いか」⇔悪い。
3 人の行動・性質や事物の状態などが許容範囲内であるさま。
㋐許せる。承認できる。「帰っても―・い」「代理人でも―・い」
㋑さしつかえない。支障ない。「―・かったらお茶でもどうですか」
㋒放っておいてかまわない。どうでもよい。「その件はもう―・い」
4 (「よい年」などの形で)ある程度の年齢に達している。また、分別を身につけているはずだ。「―・い年をして喧嘩などするな」「彼の息子ももう―・い年だ」
5 (多く「好い」「佳い」「吉い」と書く)吉である。めでたい。「―・い日を選んで挙式する」⇔悪い。
6 情操の面ですぐれている。情趣を解する能力がある。
「―・き人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よ―・き人よく見」〈万・二七〉
7 動詞の連用形に付いて、動作が簡単・容易・円滑・安楽にできるさまを表す。…しやすい。「住み―・い家」「飲み―・い錠剤」
→
[補説]現代の日常会話では、終止形・連体形に「いい」を多く用いるため、「よい」を用いるとやや改まった感じを与える場合がある。また改まった場面では、1㋐や2㋔などに「よき友」「よき日」というように、文語連体形「よき」を用いることがある。
[派生]よがる[動ラ五]よげ[形動]よさ[名] →よさげ
[類語](1㋐)良質・上質・上等・優良・佳良・純良・良好・見事・立派・上上・上乗・結構/(1㋑)優れる・秀でる・偉い・優等・優秀・秀逸・