ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サウンドチャンネル」の意味・わかりやすい解説 サウンドチャンネルsound channel 音波が音波極小層から音速の大きい層に伝搬するとき,入射する角度によっては全反射する。これを繰り返すと,音波極小層から音波が抜け出せないことから,これをサウンドチャンネルと呼ぶ。これは海水中の音速は,水温が高いほど,また圧力が高いほど大きいが,海洋では水温は表層では高く,深くなるにつれて低くなる一方,圧力は深さに比例して大きくなるため,音速に対する海洋での水温と圧力の関係が逆になり,ある深さで音速が極小になる (中緯度海域では音速極小の深度は約 1000m) ためである。この音速極小層がなければ,音波は海面と海底で反射するのに対し,音波極小層を伝わる場合はほぼ水平であるからエネルギーの減衰は小さく遠くまで届く。実験ではオーストラリア沖でのダイナマイト音がバミューダ諸島の海岸局で受信され,約2万 kmも到達することが分かった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by