サブレ夫人(読み)サブレふじん(その他表記)Madeleine de Souvré, marquise de Sablé

改訂新版 世界大百科事典 「サブレ夫人」の意味・わかりやすい解説

サブレ夫人 (サブレふじん)
Madeleine de Souvré, marquise de Sablé
生没年:1599-1678

フランスの女流文人。若年の時から才女としてランブイエ侯夫人サロンで評判が高く,プレシューズと呼ばれる才女の女権論者たちに影響を与えた。後年,自身もサロンを開き,特にジャンセニスト系の人々が集まり,思想,文学を論じた。短い文の中に鋭く真理をえぐるマクシム格言)を書くのが流行したのはこのサロンであり,サブレ夫人自身も《格言集》(1678)を印刷しているが,特にラ・ロシュフーコー名高い箴言(しんげん)集》が,このサロンでの論議から生まれたことが注目される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサブレ夫人の言及

【サロン】より

…この時期には,パリをまねた地方都市のサロンも多くなった。17世紀にはそのほか,ラ・ロシュフーコーの《箴言集》や,J.deラ・フォンテーヌの《寓話》を生み出したサブレ夫人のサロン,多少軽佻な趣があったスカロン夫人Mme.Scarron(1635‐1719。のちのマントノン夫人marquise de Mantenon)のサロンなどがあり,17世紀末には自由思想家(リベルタン)たちを集めたニノン・ド・ランクロNinon de Lenclos(1620‐1705)のサロンも出現した。…

※「サブレ夫人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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