精選版 日本国語大辞典 「さようなら」の意味・読み・例文・類語
さよう‐ならさヤウ‥
- [ 1 ] 〘 接続詞 〙 ( 「さようならば」の変化した語 ) それならば。しからば。
- [初出の実例]「『御免なさい御免なさい』『左様ならあやまらしゃったか』」(出典:歌舞伎・鳴神(1742か))
- [ 2 ] 〘 感動詞 〙 別れの挨拶(あいさつ)に用いる語。
- [初出の実例]「『さやうなら、御きげんよふ』『行ってまゐりやせう』」(出典:洒落本・曾我糠袋(1788))
- [ 3 ] 〘 名詞 〙 ( [ 二 ]から転じて ) 別れの意を表わす語。おわかれ。
- [初出の実例]「伯母さんにさやうならをして、帰るみちみち」(出典:銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前)
さようならの語誌
( 1 )「さよう」は中古よりみられるが、[ 一 ]の用法は主に「さらば」(和文)と「しからば」(漢文訓読文)によって表わされていた。中世末期においては「さらば」「それなら(ば)」が多く用いられ、「さようならば」の使用頻度が高くなるのは近世中期以降である。
( 2 )[ 二 ]の別れの挨拶の用法については、先ず「ごきげんよう」「のちほど」などの他の別れの表現と結びついた形で用いられ、次いで近世後期に独立した別れのことばとして一般化した。
( 3 )[ 三 ]の名詞用法は近代以降に生じた。