改訂新版 世界大百科事典 「サンカメイガ」の意味・わかりやすい解説
サンカメイガ (三化螟蛾)
yellow rice borer
Scirpophaga incertulas
鱗翅目メイガ科の昆虫。翅の開張2.5cm内外。小型で翅の細長いガで,雄は前翅が灰褐色で,黒褐色点を散布し,小黒紋と斜線があり,雌の前翅はクリーム色で,雄より大きな黒紋がある。後翅も雄は暗色で,雌は黄白色。幼虫はイネの茎に食入し加害する大害虫で,年に3回(一部の地域では2回)発生するのでサンカメイチュウ(三化螟虫)とも呼ばれ,成虫は前翅に1個の黒紋のあるところからイッテンオオメイガとも呼ばれている。このガはオオメイガ亜科に属するところから,この名をもつのであって,とくに大型であるわけではない。本種は最低気温が-3.5℃より高い地域に分布するので,本州の南西部から四国,九州およびそれより南の島々に産する。国外では,中国の南半部,台湾,フィリピン,マレーシアからインドなど東南アジアに広く分布する。近縁種のシロオオメイガS.excerptalisの幼虫はサトウキビの害虫。
執筆者:井上 寛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報