イッテンオオメイガ(読み)いってんおおめいが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イッテンオオメイガ」の意味・わかりやすい解説

イッテンオオメイガ
いってんおおめいが / 一点大螟蛾
[学] Scirpophaga incertulas

昆虫綱鱗翅(りんし)目メイガ科に属するガ。日本、台湾、中国からマレーシア、インド、アフガニスタンにかけて分布し、熱帯亜熱帯地域における稲作の大害虫である。年3回(一部の地方では2回)発生するので、サンカメイガ(三化螟蛾)あるいはサンカメイチュウ(三化螟虫)ともよばれている。はねの開張20~25ミリメートル。雄は前翅が藁(わら)色で、小黒点斜線がある。雌は前翅がクリーム色で、黒点は雄より大きい。幼虫イネ陸稲の茎に食入し、大きな被害を与える。冬は刈り株の中で老熟幼虫態で過ごす。気温の低極が零下3.5℃以南に分布するので、日本では本州の南西部、四国、九州およびそれより南の島々で発生する。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イッテンオオメイガ」の意味・わかりやすい解説

イッテンオオメイガ
Schoenobius incertulas

鱗翅目メイガ科。サンカメイガともいう。前翅長9~13mm。体は淡褐色で翅は細長い。雄では,前翅は灰褐色で翅の先端から後縁中央に伸びる暗色の斜線があり,斜線中央より内側に1小黒点があり,外縁に小黒点が並ぶ。後翅褐色を帯びた白色である。雌では,前翅は黄色で中央に1小黒点があり,後翅は白色。触角は糸状で雄では短い。幼虫はイネの大害虫として知られ,年3回発生することからサンカメイチュウとも呼ばれる。一般に冬の最低気温が-3.5℃以上の地域にみられ,本州南部,四国,九州,南西諸島,台湾,中国,その他熱・亜熱帯に広く分布する。

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