サンタロール(読み)さんたろーる(英語表記)santalol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンタロール」の意味・わかりやすい解説

サンタロール
さんたろーる
santalol

炭素数15のセスキテルペンアルコール。2種の異性体、三環式のα(アルファ)-サンタロールと二環式のβ(ベータ)-サンタロールが存在する。びゃくだん油(サンダルウッド油)を分留するとα-体とβ-体の混合物として無色の粘性液体が得られ、これは木の香りがする高級調合香料である。α-サンタロールおよびβ-サンタロールの合成については多くの研究が行われているが、現状では工業的に生産できる方法はみいだされていない。しかしながら合成研究の結果、天然には存在しない強いびゃくだん様香気をもつ『合成サンダルウッド』とよばれる化合物がみいだされ、たとえばイソカンフィルシクロヘキサノール、プラマロールなどが工業的に生産され、市販されている。東洋調の調合香料として多く使用されている。

[佐藤菊正]


サンタロール(データノート)
さんたろーるでーたのーと

サンタロール
C15H24O, 分子量 220.36
α-サンタロール
沸点148℃
比重0.977
β-サンタロール
沸点178℃/17mmHg
比重0.972

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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