びゃくだん油(読み)ビャクダンユ

化学辞典 第2版 「びゃくだん油」の解説

びゃくだん油
ビャクダンユ
sandal-wood oil

ビャクダンSantalum albumの材部から得られる芳香油.主成分サンタロールC15H24O.0.974~0.985.1.505~1.508.びゃくだん香水,医薬品などに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「びゃくだん油」の意味・わかりやすい解説

びゃくだん油
びゃくだんゆ / 白檀油
sandalwood oil

ビャクダン科ビャクダンの幹や根の水蒸気蒸留によって収油率5~6%で得られる特有の甘味のある芳香を有する精油。ビャクダンは古くから知られた香木で、東インド産ビャクダンはインド南西部カルナータカ州が主産地である。インドでは国有であって年間約2000トンを産出し、その10%は材として用いられるが、大部分はびゃくだん油製造原料にあてられている。その成分はαおよびβ‐サンタレン(10%)、αおよびβ‐サンタロール(90%)である。せっけん香料、化粧品香料、薫香医薬に用いられる。

[佐藤菊正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「びゃくだん油」の意味・わかりやすい解説

ビャクダン(白檀)油【びゃくだんゆ】

ビャクダンの根および材を細片とし加圧水蒸気蒸留して得られる精油。サンタロールを主成分とする淡黄色のねばりのある液体で,特有の芳香をもつ。東洋調のセッケン香料,調合香料,医薬として用いられる。
→関連項目精油ビャクダン(白檀)

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世界大百科事典(旧版)内のびゃくだん油の言及

【ビャクダン(白檀)】より

…仏像,美術彫刻,小箱,櫛(くし)など小細工物,数珠などに賞用され,また薫香,抹香,線香の材料とする。心材や根材を水蒸気蒸留して得られるビャクダン油sandal oilは,主成分としてセスキテルペンアルコールのサンタロールsantalolを含有し,薬用やセッケンなど化粧品の賦香料とする。なお,〈栴檀(せんだん)は双葉より芳し〉の栴檀はビャクダンのことで,センダン科のセンダンではない。…

※「びゃくだん油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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