ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンチョ4世」の意味・わかりやすい解説
サンチョ4世(勇猛王)
サンチョよんせい[ゆうもうおう]
Sancho IV, el Bravo
[没]1295.4.25. トレド
カスティリア=レオン王 (在位 1284~95) 。アルフォンソ 10世 (賢王)の次男。野心家で無慈悲で激しい気性の持主であったが,政治家としては有能であった。 1275年兄がムーア人との戦いで戦死し,甥のアルフォンソ・デ・ラ・セルダがアルフォンソ 10世の後継者として残されたが,サンチョは父王アルフォンソ 10世の中央集権化政策に反対する貴族の支持を得て相続権を主張し,84年4月父の死後王位についた。アルフォンソ・デ・ラ・セルダの支持者がフランス,アラゴンおよび国内各地から集ったが,サンチョは,彼の長女とアラゴンのハイメ2世 (公正王) との結婚によりこの脅威から免れた。さらに 91年のハイメ2世との同盟により,92年ムーア人からジブラルタル海峡を制するタリファを征服した。
サンチョ4世(高貴王)
サンチョよんせい[こうきおう]
Sancho IV, el Noble
[没]1076
ナバラ (パンプロナ) 王 (在位 1054~76) 。ガルシア・サンチェス3世 (ガルシア4世) の子。ムーア人のサラゴサ王を臣下としたため,カスティリア王アルフォンソ6世 (勇猛王) の侵入を招いた (74) 。弟ラモンに殺害され,王位はアラゴンのサンチョ5世 (サンチョ・ラミレス) に受継がれた。
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