パンプロナ(読み)ぱんぷろな(その他表記)Pamplona

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パンプロナ」の意味・わかりやすい解説

パンプロナ
ぱんぷろな
Pamplona

スペイン北東部、ナバラ県の県都。人口18万3964(2001)。ピレネー山脈南西麓(ろく)、アルガ川沿いの標高449メートルに位置する。中世ナバラ王国首都で、ナバラ地方の政治、経済、文化の中心地。1027年より司教座の所在地。ブドウオリーブ穀類などが集散される。1950年ごろからは化学、食品の近代工業も立地する。古代ローマポンペイウスにより建設された要塞(ようさい)都市で、ポンピーロPompaeloとよばれた。パンプロナ大聖堂(1397~1525)、星形の城郭(1551)、サン・サトゥルニーノ教会(13世紀)など歴史的建造物が多い。毎年7月に開かれる聖フェルミン祭が有名で、勇壮な市街地での牛追いがみられる。

[田辺 裕・滝沢由美子]

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改訂新版 世界大百科事典 「パンプロナ」の意味・わかりやすい解説

パンプロナ
Pamplona

スペイン北部ピレネー山麓,ナバラ県の県都。人口19万3328(2005)。農産物集散地で,商業,ブドウ酒醸造,製糖業などが発達。ローマのポンペイウスによって前1世紀に建設されたポンペヨポリスに由来し,西ゴート族イスラム教徒の占領後,9世紀末にナバラ人が独立し,ナバラ王国の首都となった。ゴシック様式の大聖堂(1397-1525建設)をはじめ,旧市街には聖サトゥルニーノ教会,聖ニコラス教会(ともに13世紀)がある。毎年7月6日から開催される守護聖人サン・フェルミンの祭りは牛追いで有名で,ヘミングウェーの《日はまた昇る》に登場した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パンプロナ」の意味・わかりやすい解説

パンプロナ
Pamplona

コロンビア北部東寄り,ノルテデサンタンデル州南部の都市。首都ボゴタ北北東約 350km,アンデスの東部山脈の北部山中,標高約 2200mの地にあり,パンプロニタ川に臨む。 1548年建設され,スペイン植民地時代には鉱山町として繁栄。 1644年,1875年の大地震により大きな被害を受けたが,大聖堂や,聖フランシスコ,聖ドミンゴなどの旧修道院をはじめとする植民地時代の建築物が多数残っている。現在も近くで金,石炭の採掘が行なわれるほか,市内には織物,ビール,蒸留酒などの工場がある。パンプロナ大学 (1960) 所在地。州都ククタとボゴタを結ぶ幹線道路が通る。人口3万 5058 (1985) 。

パンプロナ
Pamplona

スペイン北部,ナバラ州,ナバラ県の県都。ピレネー山脈南麓に位置する。エブロ川の支流アルガ河畔にあって,フランスとスペインを結ぶ交通の要地。前1世紀ローマの軍事基地として建設された。 11~19世紀なかばはナバラ王国の首都。近郊のコムギ地帯の中心地。ワイン用皮袋,サンダル,ロープ,陶器などの伝統工業が盛ん。その他,化学製品,製粉,製糖などの工業も立地する。市街地にはゴシック様式の聖堂 (13~14世紀) ,大聖堂 (14~15世紀) など歴史的建造物が多い。毎年7月6日から始る聖フェルミン祭には多くの観光客が訪れる。バスク文化の中心地の一つ。人口 17万 9251 (1991推計) 。

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百科事典マイペディア 「パンプロナ」の意味・わかりやすい解説

パンプロナ

スペイン北部,ナバラ自治州の州都。製糖・ブドウ酒・皮革工業のほか,銅・鉛の製錬が行われる。14世紀のゴシックの大聖堂,大学(1952年創立)がある。毎年7月6日から開催される守護聖人サン・フェルミンの祭りは牛追いで有名。起源は古代ローマ都市で,10―11世紀ナバラ王国の首都。19万5943人(2011)。

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世界大百科事典(旧版)内のパンプロナの言及

【ナバラ王国】より

…ピレネー山脈の南西部にあった中世イベリア半島のキリスト教国で,その領土は現在のスペインとフランスとにまたがっていた。後にナバラ王国Reino de Navarraを形成する地域は,イベリア半島の中でローマ文化の浸透が最も弱かった地方の一つで,パンプロナが唯一ローマ的な都市であった。したがって,そのキリスト教化も遅く,異教が完全に姿を消したのは12世紀になってからであった。…

※「パンプロナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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